2012年6月18日月曜日

安渡小学校

2012年5月わたしは、千葉にあるバプテスト教会の人たちと一緒に被災地へ向かいました。

最初に向かったのは、岩手県大槌町、その町の安渡小学校の敷地内に仮設住宅があります。


 この学校は、高台にあるため津波を免れることができました。周りには同じように無傷だった家が何件も立ち並んでいます。しかし、遠く海岸線をを見渡せば、今もなお瓦礫が山積みです。いつになったら片付くかもしれない瓦礫の山は、それを見る人々に津波の恐ろしさを思い出させます。


被災地の人の未来はどんなになっていくのか、それは、誰にもわかりません。まだまだ心に痛みを抱え、先が見えないという人が大勢いるのです。


それは、まるで学校の前にあった森の中に続く一本の線路のようです。その先に何があるのかわからない。学校の中に、わたしは、さらに一つの額を見つけました。そこには、「坂道の向こうには希望がある」、と書かれていました。


確かに、今上っている道の向こうに何があるか痛みを持った人には見えません。故に希望が持てないし、諦めたくなることもあるのです。しかし、未来を信じて歩み続ければその坂を上りつめた向こうに大きな希望が見えるはずです。坂の頂上まで彼らを何とか励まして上らせてあげられるなら、ボランティアの働きは意味があるのではないでしょうか。



この世には苦しみや悲しみはいつの時代にもあります。それを避けることは誰にもできません。しかし、苦しみの向こうには、神が供えた新しい希望も必ずあります。その希望に向かって被災地の皆さんに進み続けて欲しいと心から願うものです。

私は、学校の入口近くに、白い花を見つけました。小さな坂の片隅で精一杯に咲き乱れるこの花を見て、人は、さらに大きな美しい花を咲かすことができるはずだと思いました。なぜなら、神がわたしたちを支え、力づけて下さるからです。この大槌の人々にもいつかそんな大きな花を咲かせる時がやってくるでしょう。

主が、彼らの心を慰め、今は苦しいでしょうが、諦めるのではなく、一歩ずつでも良いですから、前に向かって進むことが出来るように働いていくのが、今のわたしたちのようなボランティアのすべきことではないでしょうか。そのために、神はこうした方々のところにわたしたちをお遣わし下さっているのです。物資は多く送られてきます。しかし、今、本当に現地の人たちに必要なのは、傷む心を持つ彼らに寄り添う人々です。古き苦しみを吐き出して、新たな希望を吸い込むことが大切なのではないでしょうか。